「ああ。 精霊は生まれる。
世界を覆い尽くす新たな世界を伴っ
て」
エレンの言葉に、 アイクは唇の
端はしを上げながらそう言った。
「――随ずい意い領りよう域い
き。 人が思い描いたことを現実とす
る、 万能の空間。 計算が正しけれ
ば、これより生まれ出いでる精霊が
持つその空間は、地球を覆おおい尽
つくすほどの規模を誇ほこっている
はずだ。 それこそ、もう一つの世界
--隣りん界かい、 とでも呼ぶべき
規模をね」
アイクが、 前に突つき出した手
を拳こぶしの形にする。
「それが、我々の世界だ。 我々
は隣界で以て、この世界を上書きす
る」