「左様」
ずさん
「それって、一体どういうことなんですか? 当時の術式構築技術が足りなくて作れなかったとか、そうい
うことではないんですか?」
ルミアが不思議そうに問い返す。
杜撰だって......」
「ルミア。ルーン語が、この世界で生み出された最初の魂が発した音色...... 『原初の音』に近く作られた言
語だというのは覚えているな?」
すると、そのルミアの疑問に応じたのはグレンだった。
えいしよう
とくしゅ
「あ、はい。ルーンが『原初の音』に近い言語だからこそ、その詠唱には特殊な発声術が必要ですし、私達
が表層意識上は意味を理解できなくても、深層意識下でちゃんと意味を理解できるんでしたよね?た
だ、『原初の音』に近いと言っても、しょせん人が作った言葉だから、天使言語や竜言語と比べると、かなり
りゆう
「ああ、そうだ。よく覚えてたな。で、話を戻すが、そのルーンを組み合わせて、魔術関数を作成し、その魔
術関数を組み合わせて、魔術式を作るわけだが...... ルーンじゃ、どこをどうやっても先の三要素を一つに
合成する関数と式が構築できなかったんだ。これは術式構築技術の不足というわけじゃなく、ルーンとい
う杜撰な魔術言語そのものが抱えた問題で、ルーン語のポテンシャル・スペックでは、その術式を成すこと
は不可能であるという証明までされちまった。これが、魔術言語ルーンの機能限界ってことだ」
かか
かた すく
そこまで一気に説明して、グレンが肩を竦める。