銃
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(12) M. ヴェーバー Max Weber ( 1864-1920) ドイツ
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫) 1904年 [社会学]
営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理が実は近代資本主
義の生誕に大きく貢献したのだという歴史の逆説を究明した画期的な
出発点。
論考。 M. ヴェーバーが生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の
(13) J.ケインズ John M.Keynes (1883-1946) イギリス
雇用、利子および貨幣の一般理論 上下(岩波文庫) 1936年 [経済学]
典派理論の特殊性と決別し、 包括的な 「一般理論」を打ち立てた。 資本
経済学の歴史に「ケインズ革命」と呼ばれる一大転機を画した書。 新古
主義の抱える大量失業と不安定な経済循環への処方箋として、雇用と
有効需要、利子率と流動性とを組み合わせた独自の体系を構想。
(14) Hハート H.L.A.Hart (1907-1992) イギリス
法の概念 (ちくま学芸文庫) 1961年 [法哲学]
法とは何か。 ルールの秩序という観念でこの難問に立ち向かい、法哲
学の新たな地平を拓いた名著。
(15) K.ゲーデル Kurt Gödel (1906-1978) オーストリア
□不完全性定理 (岩波文庫) 1931年 [数学]
25歳のゲーデルが「数学基礎論」に実質的終止符を打った不完全性定理
論文は、 数学の定理でありながら哲学 心理学、 現代思想、 情報科学など
の研究者をひきつけ、様々な影響を与えた。 「解説」では、不完全性定理論
文の歴史的経緯を説明し、 その内容を丹念に解説する。
(16) J.ノイマン John von Neumann (1903-1957) ハンガリー
ゲームの理論と経済行動 ⅠⅡI,Ⅲちくま学芸文庫) 1944年 [数学]
今や経済学にとどまらず社会学・生物学など様々な分野において、 現
象の分析や意思決定の方法論として応用されるようになったゲーム理
論。 複雑な人間行動を厳密かつ数学的に記述する新たな可能性を開
き、後世に絶大な影響を与えた記念碑的著作。
(17) A.アインシュタイン Albert Einstein (1879-1955) ドイツ
相対性理論 (岩波文庫) 1916年 [物理学]
時空概念を一変させたアインシュタインの相対性理論。その考え方の
基本はすべて、 最初の論文「動いている物体の電気力学」に述べられ
ている。 この論文の邦訳に加え、一般読者の理解のために、原論文の
論旨展開を忠実・平易に再現した解説をほどこした。
■ 生命とは何か (岩波文庫) 1944年 [物理学]
(18) E.シュレーディンガー Erwin Schrödinger (1887-1961) オーストリア
量子力学を創始し、 原子物理学の基礎を築いた人が追究した生命の
ある。 生物現象ことに遺伝のしくみと染色体行動における物質の構造と
法則を物理学と化学で説明し、 生物における意義を究明する。
本質とは? 本書は分子生物学の生みの親となった20世紀の名著で
(19) 西田幾多郎 (1970-1945) 日本
善の研究(岩波文庫) 1911年[哲学]
本書は純粋経験の立場から哲学の全領域にわたって整然と組織され
た哲学体系である。純粋経験によって知識・道徳 宗教の一切を基礎
づけようとする強靭な思惟に貫かれたこの処女作は、明治以後邦人の
ものした最初の哲学書と言われ、 多くの人に迎えられて今日に及ぶ。
(20) 和辻哲郎 (1889-1960) 日本
人間の学としての倫理学(岩波文庫) 1934年 [倫理学]
「倫」はなかま、「理」はことわり、すなわち「倫理」とは、 人間共同態の存在根
底としての秩序である。主著『倫理学』 の方法論的序説とされる本書で和辻
は、 西洋哲学の人間観と方法を十分に咀嚼した上で、 人倫の体系としての
倫理学という独自の筋みちを提示。 日本倫理学に革新をもたらした。
(21) U
(1914-1996) *
超国家主義の論理と心理 (岩波文庫) 1946年 [政治学]
日本ナショナリズムは、 なぜ超国家主義 (ウルトラ・ナショナリズム)へと
突き進んだのか? 敗戦の翌年、日本軍国主義の精神構造に真っ向
から対峙し、抑圧が下位に移されていく「抑圧委譲の原理」、 それゆえ
の「無責任の体制」などを鋭く指摘し丸山の名を一躍高めた表題作。
(22) 廣松渉 (1933-1994) 日本
世界の共同主観的存在構造 (講談社学術文庫) 1972年 [哲学]
戦後日本を代表する体系的哲学者廣松渉は、 思想としての近代とは何か、
近代を超克するとはどのような事柄であるのか、を哲学的に問いつめる。 そ
の若き日の主要論文をおさめたこの書は、「大きな物語」の終焉が囁かれる
現在においてなお、新鮮な輝きと衝撃力を失っていない。
(23) 湯川秀樹 (1907-1981) 日本
物理講義(講談社学術文庫) 1975年 [物理学]
ニュートンから現代素粒子論まで、物理の世界はいかに創られてきた
か。 本書は「すでに創られた物理学」の概説ではなく、 これから「創りだ
す物理学」をめざして語られた、 湯川物理の真髄を伝えるユニークで興
味深く、しかも格調高い名講義の全録である。