⑦適法コンテンツのスクリーンショット等の際の写り込み
重要な情報と同じページに違法にアップされた著作物が存在する場合(SNSのア
イコンに違法物が使用されている場合など)に, スクリーンショット等で保存しよう
とすることが困難となる。
法第30条第1項の対象とは言い難い行為も含まれ
これらの事例については
ていると考えられること
むしろ他の権利制限規定(第32条 第42条)の適用を検討すべき事例も含まれてい
ると考えられること (②, ③) , (ウ)正規に流通する著作物の利用や違法にアップロ
(7)
(①~③,
⑤)
(イ)
同項を介さずとも可能である行為や,
,
ドされた著作物を外してダウンロードすることによる対応が可能な事例もあると考え
られること (②, ③, ⑦) , (エ)それらに該当しない場合であっても著作権者の利益
保護(既に行われた違法アップロードによる被害拡大防止) よりも優先すべき正当性に
は一定の疑義もあること (④, ⑥など)には留意が必要であるが, ダウンロード違法化
の対象範囲拡大が,国民生活に与え得る影響が広範であることを示すものとして受け止
める必要があると考えられる。
この点,法第30条第1項については, 「個人の私的な領域における活動の自由を保
障するものである」という見解や,実態として多様な機能を果たしてきておりその点を
考慮する必要があるとの指摘もあるところ,それを前提にして, これらの事例も踏まえ
たユーザー保護の必要性と,現在把握されている被害実態等を踏まえた立法措置の必要
性について利益衡量を行うと,必ずしも違法アップロードによる被害全てに対応する
とまでは求められず,特に経済的被害が顕著である部分,立法措置の必要性が高い部分
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のみに対応すれば足りる(とりわけ,刑事罰についてはそのような部分に限定すべきで
ある) といった考え方も成り立つとも考えられる。